スイーツ王子の溺愛はケーキよりもなお甘い

 ◇

「落ち着いた?」
「はい……」

 柊登のマンションに連れてきてもらった結乃は擦りむいた腕や膝を消毒し、絆創膏を貼ってもらった。
 温かいホットミルクも飲ませてもらい、ようやく気持ちが落ち着いてくる。
 柊登のマンションは結乃の家とは、比べ物にならないほど広かった。
 リビングにはおしゃれな観葉植物があり、天井を見上げるとモダンなシーリングファンが浮いている。
 イタリア製のソファはふかふかで、ずっと座っていられるくらい。

(私の気持ち、きっとバレてるよね?)

「あ、あの。柊登さ……」
「家まで送るよ」

 素っ気のない態度に結乃は肩を落とした。

(そうだよね。恋人がいるんだもん……)

 結乃がソファから立ち上がり、玄関へと足を向けたそのとき。

「柊登さん?」
「本当に俺のためにあのろくでなしに抱かれるつもりだった?」

 結乃は目の前に立ちはだかる柊登から、さっと視線を逸らした。
 怒られると覚悟しぎゅっと目を瞑るが、待てど暮らせど雷は落ちてこなかった。

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