このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
「一年半ほど前には、時空の歪みが確認されたのですが……そこから瘴気がもわもわっと漂い始めたのが一か月ほど前。時空がゆがんだときから、徐々に魔物の数は増えてはいたのですが、瘴気が確認されてからはぐっと増えました」
だからこのタイミングでの聖女召喚の儀を、誰もが望んだというわけだ。初めて瘴気が確認された時期に。
「早かれ遅かれ、聖女様にはその瘴気の発生源に足を運んでもらう必要があります」
「ですが、ご存知の通り。私には聖なる力がありません」
「それが問題なんですよね」
う~んと唸って、神官長は腕を組む。とりあえずその場しのぎの誤魔化しはできた。聖女が現れたという事実は人々に希望をもたらすだろう。しかし、その次に求められるのは聖女としての役目だ。それが瘴気を祓い、魔物を蹴散らすこと。
「とりあえずは、現状把握のために魔物討伐に同行するとか。そういったところがいいのでは?」
一人の魔法使いが声をあげる。すると、他の二人もうんうんと頷く。
「魔物討伐の同行ですか? まぁ、それくらいならできるかと思います。私も魔法は使えますので」
イリヤはチラリと横目でクライブの様子をうかがった。彼が文句を言い出すような、そんな気がしたからだ。
そんなクライブは眼鏡の下の目を鋭く細くしている。
「クライブ様?」
イリヤが呼ぶと、彼はくいっと眼鏡を押し上げる。
「イリヤを魔物討伐に同行させるというのであれば、マリアンヌを連れていってはどうだろうか?」
「クライブ様!」
マリアンヌは赤ん坊である。やっと高速ハイハイで動き、最近ではつかまり立ちができるようになった。つまり、一人では歩けないのだ。そんなマリアンヌを危険な魔物討伐へ連れていくと提案するとは、いったい彼は何を考えているのか。
だからこのタイミングでの聖女召喚の儀を、誰もが望んだというわけだ。初めて瘴気が確認された時期に。
「早かれ遅かれ、聖女様にはその瘴気の発生源に足を運んでもらう必要があります」
「ですが、ご存知の通り。私には聖なる力がありません」
「それが問題なんですよね」
う~んと唸って、神官長は腕を組む。とりあえずその場しのぎの誤魔化しはできた。聖女が現れたという事実は人々に希望をもたらすだろう。しかし、その次に求められるのは聖女としての役目だ。それが瘴気を祓い、魔物を蹴散らすこと。
「とりあえずは、現状把握のために魔物討伐に同行するとか。そういったところがいいのでは?」
一人の魔法使いが声をあげる。すると、他の二人もうんうんと頷く。
「魔物討伐の同行ですか? まぁ、それくらいならできるかと思います。私も魔法は使えますので」
イリヤはチラリと横目でクライブの様子をうかがった。彼が文句を言い出すような、そんな気がしたからだ。
そんなクライブは眼鏡の下の目を鋭く細くしている。
「クライブ様?」
イリヤが呼ぶと、彼はくいっと眼鏡を押し上げる。
「イリヤを魔物討伐に同行させるというのであれば、マリアンヌを連れていってはどうだろうか?」
「クライブ様!」
マリアンヌは赤ん坊である。やっと高速ハイハイで動き、最近ではつかまり立ちができるようになった。つまり、一人では歩けないのだ。そんなマリアンヌを危険な魔物討伐へ連れていくと提案するとは、いったい彼は何を考えているのか。