このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
イリヤの言葉に、リグナー公爵は顔をしかめる。
「……まさか聖女殿が、マーベル子爵令嬢であったことにも驚いたが……もしや、さっさと聖女殿と婚姻関係を結んだのか? ファクト公爵」
「なにをおっしゃっているのやら。私がイリヤと結婚したのは、半年も前のことですよ? 聖女だから結婚したのではなく、好いた女性がたまたま聖女であった。そういうことですが?」
リグナー公爵のこめかみがひくひくとうごめいている。
さすがクライブが口うるさい奴らと言っていただけのことはあるのだろう。何かと、クライブにつっかかり、クライブをぎゃふんと言わせたいような、そんな雰囲気が醸し出されている。
「閣下。我々にも聖女様を紹介していただけませんか」
クライブ対リグナー公爵の構図は、他の第三者によって強制的に終了となった。
それからイリヤはクライブに連れられ、王城に出入りできるような者たちを紹介される。ようは、それなりの身分で地位もある者だ。
「イリヤ……」
ふと声をかけられ、イリヤは振り返った。
「サブル侯爵……」
本能的に、危険であると感じ取った。昔のイリヤに近しい者であれば、イリヤが偽物の聖女であると見抜くかもしれない。
「その節は、お世話になりました」
「い、いや……それは、こちらの台詞だ。君のおかげで、娘たちも……」
語尾が消えていき、彼の目は泳ぐ。その視線の先にイリヤも顔を向けると、クライブの顔があった。
「……まさか聖女殿が、マーベル子爵令嬢であったことにも驚いたが……もしや、さっさと聖女殿と婚姻関係を結んだのか? ファクト公爵」
「なにをおっしゃっているのやら。私がイリヤと結婚したのは、半年も前のことですよ? 聖女だから結婚したのではなく、好いた女性がたまたま聖女であった。そういうことですが?」
リグナー公爵のこめかみがひくひくとうごめいている。
さすがクライブが口うるさい奴らと言っていただけのことはあるのだろう。何かと、クライブにつっかかり、クライブをぎゃふんと言わせたいような、そんな雰囲気が醸し出されている。
「閣下。我々にも聖女様を紹介していただけませんか」
クライブ対リグナー公爵の構図は、他の第三者によって強制的に終了となった。
それからイリヤはクライブに連れられ、王城に出入りできるような者たちを紹介される。ようは、それなりの身分で地位もある者だ。
「イリヤ……」
ふと声をかけられ、イリヤは振り返った。
「サブル侯爵……」
本能的に、危険であると感じ取った。昔のイリヤに近しい者であれば、イリヤが偽物の聖女であると見抜くかもしれない。
「その節は、お世話になりました」
「い、いや……それは、こちらの台詞だ。君のおかげで、娘たちも……」
語尾が消えていき、彼の目は泳ぐ。その視線の先にイリヤも顔を向けると、クライブの顔があった。