このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
イリヤのように覚醒遺伝的に目覚めた者は、その力を悪用されないようにと隠すか、自ら悪用するためにひけらかすか。もしくは、国家魔法使いとなって国に飼い慣らされるか。
イリヤの母親にも魔力があり、魔法が使える。彼女はそれを隠していた。そして三人の妹たちは、残念ながら魔力がないようだ。
「その求人票だよ」
ニタリと笑ったのはエーヴァルトである。王族特有の金色の瞳が、怪しく揺らめく。
「どういうことでしょう?」
「その求人票は、魔力を持つ者にしか読めないような仕掛けがされている。魔力のない者には『白紙』にしか見えない」
「えっ……?」
「心当たりはあるのだろう? 君がその求人票を見せた門番はなんと言っていた?」
「白紙の求人票だから、嘘だと……」
「その通り。だけど君は、クライブの前でその求人票の内容を読んでみせた。だから、君には魔力があり、魔法が使えると判断した」
「つまり、あの求人票を持ってここに来た時点で、私が魔法を使えることは知られていたということですか?」
そうだ、とエーヴァルトは頷く。目の下の隈からは疲労感がうかがえるが、たったそれだけの動作であっても威厳を感じられた。
「私たちは、魔法を使える者を探していた。その求人の内容を読めるくらいの強い魔法だ」
「それって、国家魔法使いの方では駄目なのでしょうか?」
国家魔法使いであれば、あの内容も簡単に読めるだろう。国家魔法使いがいるというのに、わざわざ求人票に頼る意味がわからない。
「ああ、彼らにも打診はした。だけど、彼らに子守りは無理だった。まず、マリアンヌがなつかない。彼らの顔を見ると、泣く」
エーヴァルトの説明に、イリヤは目を細くした。ちょっと話がわからない。
イリヤの母親にも魔力があり、魔法が使える。彼女はそれを隠していた。そして三人の妹たちは、残念ながら魔力がないようだ。
「その求人票だよ」
ニタリと笑ったのはエーヴァルトである。王族特有の金色の瞳が、怪しく揺らめく。
「どういうことでしょう?」
「その求人票は、魔力を持つ者にしか読めないような仕掛けがされている。魔力のない者には『白紙』にしか見えない」
「えっ……?」
「心当たりはあるのだろう? 君がその求人票を見せた門番はなんと言っていた?」
「白紙の求人票だから、嘘だと……」
「その通り。だけど君は、クライブの前でその求人票の内容を読んでみせた。だから、君には魔力があり、魔法が使えると判断した」
「つまり、あの求人票を持ってここに来た時点で、私が魔法を使えることは知られていたということですか?」
そうだ、とエーヴァルトは頷く。目の下の隈からは疲労感がうかがえるが、たったそれだけの動作であっても威厳を感じられた。
「私たちは、魔法を使える者を探していた。その求人の内容を読めるくらいの強い魔法だ」
「それって、国家魔法使いの方では駄目なのでしょうか?」
国家魔法使いであれば、あの内容も簡単に読めるだろう。国家魔法使いがいるというのに、わざわざ求人票に頼る意味がわからない。
「ああ、彼らにも打診はした。だけど、彼らに子守りは無理だった。まず、マリアンヌがなつかない。彼らの顔を見ると、泣く」
エーヴァルトの説明に、イリヤは目を細くした。ちょっと話がわからない。