このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
一年ほど前、マラカイト王国内の各地を視察していた国家魔法使いから、報告があがった。西のミルトの森に時空のゆがみらしきものを発見したとのことだった。この時空のゆがみとは、瘴気が発生する前兆である。瘴気が発生すると、そこから魔物が湧き出るとも言われている。魔物とは魔力を備える獣のような生き物。つまり、魔法を使ってくるのだ。
今でも魔物はちらほらと出現するが、それは報告があると騎士団や魔法使いが討伐している。
だが瘴気の発生と共に現れる魔物は、現在の比ではなくなる。騎士団や魔法使いの手に負えるかどうか、というのも過去の事例から心配されていた。
そこで有識者たちは、聖女召喚の儀式を行った。聖女の聖なる力によって、時空のゆがみを封じ込める、もしくは瘴気を散らしたり魔物を蹴散らしたりするというのを期待していた。
聖女召喚の儀式はいろいろと準備に時間がかかり、一か月前に行われた。そして無事、聖女は召喚されたのだが――
「つまり、先ほど陛下が抱かれていたあの赤ちゃんが聖女様だと?」
一か月前の聖女召喚の儀式で召喚されたのは、黒い髪と茶色の目の女の子の赤ん坊だった。だが、召喚の儀式に関わった神官や魔法使いたちは、間違いなくあの赤ん坊が聖女だと言う。
魔力も秘めているが、魔力と異なる力――聖なる力と呼ばれる力も感じられたというのだ。
「赤ん坊だから、もちろんしゃべることができない。名前もわからない。とりあえず陛下は聖女様に『マリアンヌ』と名付け、王城で保護することにした。陛下には今年三歳になった王子もいるため、王城での保護は妥当であると判断した……。王子付きの乳母などにみてもらえばいいと思ったようだが……」
そこでクライブはアイビーグリーンの目を鋭くする。
今でも魔物はちらほらと出現するが、それは報告があると騎士団や魔法使いが討伐している。
だが瘴気の発生と共に現れる魔物は、現在の比ではなくなる。騎士団や魔法使いの手に負えるかどうか、というのも過去の事例から心配されていた。
そこで有識者たちは、聖女召喚の儀式を行った。聖女の聖なる力によって、時空のゆがみを封じ込める、もしくは瘴気を散らしたり魔物を蹴散らしたりするというのを期待していた。
聖女召喚の儀式はいろいろと準備に時間がかかり、一か月前に行われた。そして無事、聖女は召喚されたのだが――
「つまり、先ほど陛下が抱かれていたあの赤ちゃんが聖女様だと?」
一か月前の聖女召喚の儀式で召喚されたのは、黒い髪と茶色の目の女の子の赤ん坊だった。だが、召喚の儀式に関わった神官や魔法使いたちは、間違いなくあの赤ん坊が聖女だと言う。
魔力も秘めているが、魔力と異なる力――聖なる力と呼ばれる力も感じられたというのだ。
「赤ん坊だから、もちろんしゃべることができない。名前もわからない。とりあえず陛下は聖女様に『マリアンヌ』と名付け、王城で保護することにした。陛下には今年三歳になった王子もいるため、王城での保護は妥当であると判断した……。王子付きの乳母などにみてもらえばいいと思ったようだが……」
そこでクライブはアイビーグリーンの目を鋭くする。