このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
それに、求人票には性別は問わないと書いてあった。もしかしてイリヤが女性だから母親という表現をしたのだろうか。
「陛下は、聖女様を王子殿下の伴侶にと望まれている」
なるほど、とイリヤは手を打った。
「だから、聖女様が陛下のお子様であっては都合が悪いのですね」
「はじめは陛下が養女として引き取る案もあった。何よりも聖女様だからな。だが、娘であれば嫁に出さねばならないと陛下がおっしゃられ……。結婚した日のことを考えては、悲しみ始めた。血を分けた子ではないのだが、陛下にとって聖女様は娘同然だと……」
妄想が酷い。まだ一歳にも満たぬ赤ん坊の将来を想像して、悲しみに暮れるなど。しかもその赤ん坊は自身の子ではないというのに。
「だが、嫁にもらえばいいと考えたようだ。幸い、王子殿下は今年で三歳。聖女様は、見たところ生後半年程度。年齢差としても好ましい」
大人になれば二歳半の年齢差など気にもならないだろう。だが、今は赤ん坊と三歳の幼児。本人の意思が完全に無視されているようにも見える。
「さらに王子殿下は聖女様を気に入っている。聖女様も王子殿下が来られると機嫌がよいようだ……」
クライブの目が遠くを見つめた。何かを思い出したのだろう。だがそれは、けしていい思い出とはいえないやつだ。
イリヤは先を進めるために口を開く。
「とにかく。聖女様はまだ幼いため、力の制御ができない。その結果があれ、ということですね?」
「そうだ。だから、そのためにも聖女様の母親となるような者を探していた。そして、イリヤ・マーベル。お前が聖女様の母親に相応しいと、オレたちは判断した」
オレたち。そこにはクライブの他に国王であるエーヴァルトも含まれるのだろう。
「陛下は、聖女様を王子殿下の伴侶にと望まれている」
なるほど、とイリヤは手を打った。
「だから、聖女様が陛下のお子様であっては都合が悪いのですね」
「はじめは陛下が養女として引き取る案もあった。何よりも聖女様だからな。だが、娘であれば嫁に出さねばならないと陛下がおっしゃられ……。結婚した日のことを考えては、悲しみ始めた。血を分けた子ではないのだが、陛下にとって聖女様は娘同然だと……」
妄想が酷い。まだ一歳にも満たぬ赤ん坊の将来を想像して、悲しみに暮れるなど。しかもその赤ん坊は自身の子ではないというのに。
「だが、嫁にもらえばいいと考えたようだ。幸い、王子殿下は今年で三歳。聖女様は、見たところ生後半年程度。年齢差としても好ましい」
大人になれば二歳半の年齢差など気にもならないだろう。だが、今は赤ん坊と三歳の幼児。本人の意思が完全に無視されているようにも見える。
「さらに王子殿下は聖女様を気に入っている。聖女様も王子殿下が来られると機嫌がよいようだ……」
クライブの目が遠くを見つめた。何かを思い出したのだろう。だがそれは、けしていい思い出とはいえないやつだ。
イリヤは先を進めるために口を開く。
「とにかく。聖女様はまだ幼いため、力の制御ができない。その結果があれ、ということですね?」
「そうだ。だから、そのためにも聖女様の母親となるような者を探していた。そして、イリヤ・マーベル。お前が聖女様の母親に相応しいと、オレたちは判断した」
オレたち。そこにはクライブの他に国王であるエーヴァルトも含まれるのだろう。