このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
*~*~*
イリヤと婚姻の関係を結んだ次の日。まだ彼女と出会ってから一日も経っていない。
その間、何が変わったかというと、目の前のエーヴァルトだろう。
「なぁ、クライブ。マリアンヌは元気か?」
「はい。元気です」
「そうか」
それから、しばらくすると。
「なぁ、クライブ。マリアンヌは泣いてはいないか?」
「はい。機嫌がよいです」
「そうか」
ペンの走る音が響く。それでもすぐに。
「なぁ、クライブ……」
「あぁ。うっさいなぁ」
とにかくエーヴァルトが「マリアンヌは? マリアンヌは?」と、数分おきに聞いてくる。
「おい。私に向かってうっさいとはなんなんだ!」
「本音だ。ったく、体裁つくろって答えるのも楽じゃないんだよ。なんなんだ、お前は」
「なんなんだってなんなんだ」
察しのよい侍従がやってきて、エーヴァルトの机の上にお茶を置いていく。これを、クライブは心の中で『無言のつっこみ』と呼んでいた。エーヴァルトとクライブがくだらない内容で言い争いをしていたとしても、それを仲裁できるような人間はいない。いるとしたら王妃のトリシャくらいだろう。
イリヤと婚姻の関係を結んだ次の日。まだ彼女と出会ってから一日も経っていない。
その間、何が変わったかというと、目の前のエーヴァルトだろう。
「なぁ、クライブ。マリアンヌは元気か?」
「はい。元気です」
「そうか」
それから、しばらくすると。
「なぁ、クライブ。マリアンヌは泣いてはいないか?」
「はい。機嫌がよいです」
「そうか」
ペンの走る音が響く。それでもすぐに。
「なぁ、クライブ……」
「あぁ。うっさいなぁ」
とにかくエーヴァルトが「マリアンヌは? マリアンヌは?」と、数分おきに聞いてくる。
「おい。私に向かってうっさいとはなんなんだ!」
「本音だ。ったく、体裁つくろって答えるのも楽じゃないんだよ。なんなんだ、お前は」
「なんなんだってなんなんだ」
察しのよい侍従がやってきて、エーヴァルトの机の上にお茶を置いていく。これを、クライブは心の中で『無言のつっこみ』と呼んでいた。エーヴァルトとクライブがくだらない内容で言い争いをしていたとしても、それを仲裁できるような人間はいない。いるとしたら王妃のトリシャくらいだろう。