このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
「とりあえず、それでも飲んで気分を落ち着けてください」
渋々とカップに口をつけているエーヴァルトを見て、一息つく。ついたところで、イリヤの言葉を思い出した。
「ああ、そうそう陛下。オレとイリヤの仲は良好ですから、何も陛下の心配されるところではありません」
「私はお前たちの関係がどうなろうが、興味はない。興味があるのは、マリアンヌだけ……」
「興味ないって? 結婚したその日のうちにヤるとか、そういった情報をオレに流したやつは誰ですかね?」
間違いなく目の前の男だ。そしてその言葉を鵜呑みにして、彼女に迫ったら魔法でぶっ飛ばされた挙げ句、チャールズにもこっぴどく説教された。
「はぁ? そんなの一般常識だろ? 結婚したんだ。何が悪い?」
「心が伴わない行為は強姦と同じだと、チャールズからきつく叱られたのですが? お前のせいだろ!」
「それも常識だろ? 求めて拒まれたらあきらめろ! 先に彼女の心をつかめ! って、何? お前、イリヤ嬢を襲ったの? え? お前が? そして、拒まれた? お前たちは契約結婚みたいなものだろ?」
クライブは何も答えていないというのに、なぜか昨夜のことが知られている。
だが、何を言っても、彼は都合よく解釈するにちがいない。
「……これだから、ど――」
「おい。それ以上言うなら。マリアンヌは二度とお前に会わせない」
エーヴァルトは言いかけた言葉を、素直に呑み込んだ。
「ごめんなさい」
マリアンヌの効果は絶大であった。急にエーヴァルトはしおらしくなる。
クライブは目の前の書類の山に、黙って手を伸ばす。
渋々とカップに口をつけているエーヴァルトを見て、一息つく。ついたところで、イリヤの言葉を思い出した。
「ああ、そうそう陛下。オレとイリヤの仲は良好ですから、何も陛下の心配されるところではありません」
「私はお前たちの関係がどうなろうが、興味はない。興味があるのは、マリアンヌだけ……」
「興味ないって? 結婚したその日のうちにヤるとか、そういった情報をオレに流したやつは誰ですかね?」
間違いなく目の前の男だ。そしてその言葉を鵜呑みにして、彼女に迫ったら魔法でぶっ飛ばされた挙げ句、チャールズにもこっぴどく説教された。
「はぁ? そんなの一般常識だろ? 結婚したんだ。何が悪い?」
「心が伴わない行為は強姦と同じだと、チャールズからきつく叱られたのですが? お前のせいだろ!」
「それも常識だろ? 求めて拒まれたらあきらめろ! 先に彼女の心をつかめ! って、何? お前、イリヤ嬢を襲ったの? え? お前が? そして、拒まれた? お前たちは契約結婚みたいなものだろ?」
クライブは何も答えていないというのに、なぜか昨夜のことが知られている。
だが、何を言っても、彼は都合よく解釈するにちがいない。
「……これだから、ど――」
「おい。それ以上言うなら。マリアンヌは二度とお前に会わせない」
エーヴァルトは言いかけた言葉を、素直に呑み込んだ。
「ごめんなさい」
マリアンヌの効果は絶大であった。急にエーヴァルトはしおらしくなる。
クライブは目の前の書類の山に、黙って手を伸ばす。