期待、するから
好きって。
蓮が私のこと、好きって言った。
エイプリルフールかも、なんて考えは、焦げ付くような蓮の視線でふっとんだ。
ちりっと全身が淡い鳥肌に包まれて、高い位置にある蓮の瞳を見つめ返す。
「私も、蓮が好き」
さっきと同じく見開かれた蓮の目。
それがふにゃりと緩められて、ガバッと蓮が覆い被さってきた。
背中に回された腕と密着した身体から、ドキドキうるさい心臓の音が伝わっているかもしれない。
「はぁぁぁ」
長いため息をついた蓮の息が首に当たって、少しだけくすぐったかった。
ぶらんとぶら下がったままだった腕を、恐る恐る蓮の背中に回そうとした時。
「嘘じゃねぇよな」
ぽつりと溢された蓮の言葉に、一瞬だけ動きが止まって。
ぎゅっと強く、蓮の背中を引き寄せた。
「嘘じゃない」
嘘じゃない、し。
「嘘じゃないよね?」
蓮も、嘘じゃなければいい。
「うん。瑞稀が好き」
「良かった」
良かった、けど。