ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
 桜乃の話は俺を驚愕させた。

「……ほら、結萌とマネージャーと南田さんが会っていた日、あるでしょ? あの日結萌はシャワーを浴びたかったから少し遅れて待ち合わせ場所に行ったの。そうしたら、原さんと南田さんが深刻な顔して帰ろうとしていたから理由を聞いたんだけどね、何でも二人きりで話があるからって言われたの」

 莉世となかなか連絡がつかなかったあの日、桜乃が遅れていくと、莉世と原が二人きりで話があると場所を変えたらしい。

「だからそのまま二人と別れたの。それから……二時間くらいかな? 仕事の事で原さんに連絡したんだけど、結萌の声を聞いた原さんは凄く焦った様子で……少し離れたところから、シャワーの音が聞こえてきたの。原さん、一人暮らしなのに」

 それから二人はどこか別の場所で話をしたらしいが、一人暮らしの原が電話に出ている時、遠くからシャワーの音が聞こえたと桜乃が言う。

「それが、何だって言うんだよ? 彼女でも来てたんじゃねぇの?」
「原さん、彼女はいないわ。もう随分前に別れたって聞いたもの。それに、南田さんと彼はホテルのラウンジからどこかへ場所を移したのよ? 部屋でって事も考えられるでしょ? 雪蛍くん、南田さんと連絡が取れないって言ってたじゃない? 結局、何時くらいに連絡がついたの?」
「…………」

 そう問われてあの日の事を思い出してみると、桜乃が言っている時間帯はまだ連絡がつかなかった。
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