ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
 それから三十分くらいだろうか、車で仮眠を取ってたと莉世が電話に出たのは。

(有り得ねぇ。莉世に限って、絶対有り得ねぇ)

 桜乃が何を言いたいのかは、よく分かる。

 要は、莉世と原が関係を持ったんじゃないかって言ってるんだ。

 有り得ない事だけど、仮にそうだとしても、莉世が自分からアイツを求める訳がねぇ。それだけは絶対に有り得ないと言い切れる。

(それなら、莉世は原に無理矢理……)

 そう思った瞬間、一気に頭に血が上ると共に怒りの矛先をテーブルにぶつけた俺には、桜乃は勿論、周りに居る客たちが驚いてこちらを注視する。

「……雪蛍くん?」
「金、払っといて。俺、行くとこあるから」

 財布から一万円札を取り出した俺はテーブルに叩きつけるように置くと、桜乃の返事を待たず急いで店を出た。

 そしてすぐ側に控えていたタクシーに乗った俺は迷わず莉世のアパートへ向かって行く。

 莉世はきっと、風邪を拗らせて休んでる訳じゃない。

 そんな事があって、誰にも相談出来なくて、どうしていいか分からないんだと思ったら居ても立ってもいられなかった。
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