もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 すると彼はちょっと眉を寄せて、確かめるように聞いてきた。

 「優紀、今、俺が言った意味、ちゃんとわかってる?」
 「えっ? 玲伊さんがわたしの初恋の相手だからじゃなくて」

 「違うよ。俺の初恋の相手が優紀だったってこと」

 わたしは目を丸くして、玲伊さんを見た。
 「わたしが玲伊さんの……初恋の相手?」

 「ああ。優紀が小2のとき、俺、優紀が好きで抱きしめたくてたまらなかったんだ。でも、泣き出したら困ると思って、代わりに髪を結んだりしてたんだから」

 「わたしも玲伊さんが大好きで。だから、毎晩、同じ絵本を読んで……」

 「『しろいうさぎとくろいうさぎ』?」
 「そうです。でも、なんで知ってるんですか?」
 「忘れちゃったの? 優紀にあの本、読んであげたのは俺だし」

 もちろん、覚えている。
 『玲伊兄ちゃん、読んで』と絵本をもっていってよくねだっていたことを。

 なかでも『しろいうさぎとくろいうさぎ』はお気に入りで、何度も何度も読んでもらっていた。

 「ねえ、今度、あれ読んで聞かせてよ。優紀の声を聞きながら眠ったら、いい夢が見られそうだ」
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