もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 「うん……いいですけど」
 「いいの? この間はあんなに嫌がっていたのに」

 「だって、あのときは、絶対片思いだと思ってたから」

 彼は微笑みながら起き上がり、わたしの髪を撫ではじめた。

 「優紀、そういえばハグも嫌だって言ったよな。あの日はショックで眠れなかったんだぞ。どれだけ嫌われているんだって」

 わたしは彼を見上げた。
 「ううん、あのときは……」

 そんなわたしの鼻の頭を、彼はいつものようにつんとつつく。

 「嘘だよ。ショックを受けたんじゃなくて、ハートを射抜かれたんだよ。『はじめてハグされたからドキドキして眠れない』とか言うから、もう可愛すぎて。本当はそのまま帰したくなかったぐらいで」

 「それなら……それでも良かったんだけど」

 「前にも言ったろ? 振られるのが怖かったって。あのころにはもう、どうしても優紀が欲しかったから。男はね、本当に好きな相手には馬鹿みたいに慎重になっちゃうんだよ」

 「玲伊さん……」

 彼は潤んだ目を向けるわたしの頬を包み、そのまましばらく見つめていた。


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