もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~

 その話に、玲伊さんが顎に手を当てて、眉を(しか)めた。

 「いや、そんな理不尽な要求をうのみにする必要はないでしょう。なんなら知り合いの弁護士を紹介しましょうか」
 
 祖母はいやいや、と首を振った。
 「まだまだ先の話で、今すぐどうこうって話じゃないから」


 その話に、わたしは大きなショックを受けていた。
 二人の話し声が意味をなさずに、ただ耳を通りすぎてゆく気がした。

 「だめだよ。そんなの。わたし、嫌だよ。この書店が無くなるのは」
 「優紀……」

 下を向くわたしの背中を、玲伊さんが優しく撫でた。

 「藍子さんも言うとおり、まだ時間はある。みんなでゆっくり考えればいい」

 納得はできなかったけれど、わたしは小さく頷いた。

 「いや、すまなかったね。せっかくの楽しい夜に水を差しちまって」

 玲伊さんは祖母に微笑みかけた。
 「いえ、困ったことがあったら、いつでも相談してください。力になれることがあれば、なんでもしますから」

 「ああ、ありがとよ。いざというときは、頼りにさせてもらうよ」

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