もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 それからすぐ、彼は立ち上がった。
 「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。藍子さん、ごちそうさまでした」

 「ああ、また、いつでもおいで。大歓迎だからね」

 「わたし、そこまで送ってくる」

 表に出るとすぐ、玲伊さんが言った。

 「元気なかったね、藍子さん。なんといっても店の存続は大きな問題だからな。同棲のこと、急がなくてもいいよ。俺、いつまでも待てるから。藍子さんとじっくり話し合って、ゆっくり考えてから結論を出したらいい」

 玲伊さんも、祖母の心をおもんぱかってくれている。
 その思いやりの気持ちが、何より嬉しかった。
 
 「ありがとう、玲伊さん」
 彼は微笑みを浮かべたまま、ゆっくり近づいてきて、わたしをすっぽり包み込んだ。

 そして「あんまり心配しすぎるなよ。俺がついてるから」と心に沁み入るような優しい声音で言った。

 「うん、ありがとう」
 彼はキスをひとつ落として、それから帰っていった。


 店に戻り、居間でお茶をすすっている祖母の前に座って、わたしは言った。

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