もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「優ちゃん、乱視だったよな。学生時代は片目だけコンタクトしてたのに、なんで眼鏡にしたんだ? こんなに綺麗な目の形してるのに、隠すのはもったいないよ」
 そう言って、わたしの手を離してから、ことりと音を立てて眼鏡をテーブルの上に置いた。

 眼鏡が外したいんなら、そう言ってくれればいいのに。
 まだ、どきどきが止まらない。

「なんかさ」と玲伊さんは続けた。
「優ちゃん、わざと地味に目立たないようにしているんじゃないかと思うんだけど、違う?」
 う、鋭い。
「え、えっと……」
「えっと?」

 ふと見ると、玲伊さんはいつになく真剣な顔をしている。
 適当なごまかしは通用しない。
 そう思っているのが、ひしひしと伝わってくる。

 えー、どうしよう。
 どう説明すればいいんだろう。
 
 言葉が見つからず、目をそらすわたしに、玲伊さんは言った。
「前の会社でなんかあったのか」

 その言葉にドキッとして、思わず彼を見た。

< 38 / 277 >

この作品をシェア

pagetop