もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「浩太郎がめちゃくちゃ心配してたんだよ。優ちゃん、急に元気がなくなったことがあって、それから店を継ぐためとはいえ、あっさり会社を辞めてしまったって」

「お兄ちゃんったら……玲伊さんにそんなこと言ってたんですか」
「ああ。いくら聞いても詳しい話をしてくれないんだ、って落ち込んでたよ」

「話せなかったんです。お兄ちゃんが絡んできたら、よけいに事態がややこしくなると思って」

「まあ、あいつは直情型だからな。優ちゃんがそう言うのも頷けるけど」

 玲伊さんは頭の後ろで手を組み、ソファーの背に身を預けた。

 そして、正面を向いたまま、もう一度尋ねてきた。
「なあ、俺に事情を話してくれない? 浩太郎には言わないって約束するから」

  それから、首をまわして、わたしを見つめた。
「浩太郎だけじゃない。俺もさ、優ちゃんのこと、ずっと心配だった。本屋で会ってもにこりともしないし。『どうせ~』や『わたしなんか』が口癖になってるし。いつか聞きたいと思っていたんだけど、なかなかきっかけがつかめなかった」

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