もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「たぶんね。お祭りのときにはスイーツの屋台がずらっと並ぶって話だけど」
「うわー、なんですか。その、夢のようなお祭り!」

 わたしの言葉に、玲伊さんはくすくす笑っている。

 玲伊さんと一緒にいると、どうしてこんなに心が弾んでしまうんだろう。
 
 でも、いつでも浮かれた気持ちに切ない気持ちが忍びよってくる。
 あの、くろいうさぎのように。

 うさぎの心配は杞憂だった。
 でも、わたしの場合は……

 心配しなくても、ちゃんとわかってる。
 玲伊さんが決して手の届かない人だってことは。

 わたしは心の中で警告を発してくるもう一人の自分にそう告げた。

 幸い、店内はそれほど混んでおらず、並ばずにすぐに座ることができた。
「よかったな、席が空いてて」

 玲伊さん、ここでもやっぱり注目の的だ。
 他のお客さんからも店員さんからも熱い視線を感じる。
 それからみんな、不思議そうにわたしを見る。

 えー、なんでこの人がこんな子を連れてるの?

 そんな心の声が聞こえてくるようだ。 

「どうかした?」
「いえ、なんでもないです」

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