もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 レジで会計している彼を離れて眺める。

 そして体からあふれ出しそうになる「彼が好き」という気持ちを必死に抑え込んだ。

 今日、二人で過ごしてみて、よくわかった。
 わたし、やっぱり〈妹ポジション〉でいるなんて無理だ。

 この気持ちを伝えてしまったほうが楽になれるかもしれないとも思う。
 
 でも、あんなに優しい玲伊さんのことだ。
 今、わたしに気持ちを打ち明けられたら困るに決まっている。

 それにわたしだって、もう今のように彼と接することはできなくなる。

 告白して、玉砕して、それで距離を置けるならいい。

 でも、わたしはこれから数カ月間、玲伊さんの施術を受ける身だ。
 気まずくなったりしたら、とても耐えられない。

 とにかく今は、シンデレラ・プロジェクトを完走して、玲伊さんの期待に応えなければ。


「ごちそうさまでした」
 わたしは気持ちを押し隠して、平静なふりで言った。

「どっちもうまかったな」
「はい。大満足です」

 パフェの店は玲伊さんのビルの並びにあった。
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