もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「だいぶフライングだけど、今からレッスンを始めてもいいかな」
「え、レッスンですか? 何の?」

 答える前に、玲伊さんはわたしを両腕で包み込んだ。

 えっ?
 一瞬、頭が真っ白になった。

 な、なんで???
 ハグがレッスンって?
 どうして?

「モデル、引き受けてくれてありがとうな。本当に嬉しいよ」
 
 わたしは完全にフリーズしてしまった。
 彼はぎゅっと力をこめて、そんなわたしを抱きしめてくる。

「れ、玲伊さん、なんでハグ?」
 ようやくそう言うと、玲伊さんはわたしを包み込んだまま、答えた。

「ん? ハグも美しい女性になるためのレッスンの一環だけど。人はこうして抱きしめられるとβエンドルフィンやオキシトシン、俗にいう〈幸せホルモン〉が分泌されてリラックス効果が得られるんだ。表情も穏やかになって内側から輝くような美しさを手に入れられる」

 そう話す、彼のくぐもった声が体に直接響いてくるようで、心臓が限界まで高まる。

 玲伊さんはわたしから離れると、今度は頭に手をおいた。
 そして少しかがんで、目線を合わせてくる。

 わー、もう、本当に倒れてしまうって。

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