このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
さらに、名取くんからは多額の結納金。

きっとこの結納金も、自分たちの私腹を肥やすためだけに使われるのだろう。


こんな、お父さんたちにとって至れり尽くせりの状況があるだろうか。


なにも名取くんも、そこまでしなくたっていいのに…。


わたしはうつむきながら、きゅっと唇を噛んだ。

――そのとき。


「ちなみに、受け取っていただいたそれは結納金ではありますが、同時に手切れ金でもあります」

「そうですか、手切れき――…手切れ金!?」


お父さんは目をぎょっと見開けて名取くんを二度見する。


「ゆ…結弦くん。手切れ金というのは…」

「そのままの意味です。澪さんはこれから、名取家の一員として生まれてくる子どもといっしょに僕と暮らしていきます。しかし、そこにあなたたちとの繋がりは一切ありません」
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