離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
とにかく受け持ちでなければ、よほど特別室に行く用事はない。

安心して仕事をしていると、昼間にナースコールが鳴った。

「あ」

ナースコールの病室が表示されるディスプレイに「特別室」の文字。

周りを見回すけど、他の看護師は出払っている。

昼休憩は二つのグループで交代でとるため、今は各チームの後半グループしかいない。

他の看護師は昼食の食器を下げに行ったり、服薬介助したり、検査に呼ばれたりしていない。

私が行くしかない。

「どうされました?」

用件をうかがうと、暗い声が返ってきた。

『頭が痛くて。痛み止めもらえます?』

安藤さんは若くてしっかりしているのに、服薬管理を看護師にさせている。

つまり、病室に薬を置いておくことはせず、必要なときに看護師から渡すようにしているのだ。

以前に大量服薬して胃洗浄する大騒ぎになったからだとカルテに載っていた。

とにかく、たいした症状じゃなくてよかった。ひそかに安堵する。

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