離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「はい、循外病棟、槇です」

私は電話に出つつナースステーションに戻った。


残業を終えて帰ると、珍しく圭吾さんのほうが早く帰ってきていて、私を出迎えてくれた。

「ただいまです」
「おかえり」

まだ部屋着ではなく、出勤のときに着ていたシャツとパンツだ。今帰ってきたばかりなのだろう。

「なんだ、それほど遅くなかったな」

今日は残業があるので、先に夕飯を済ませておいてほしいと連絡しておいたのだ。

「思ったより早くあがれました」

当然だけど、今から夕食を用意しなくてはならない。

荷物を適当に置いて冷蔵庫を開けようとした私に、彼が提案した。

「じゃあ、なにか食べに行こう」
「えっ、いいんですか」
「寿司とかどうかな」
「やったー! お寿司大好きです!」

私は子供のように飛び上がって喜んだ。

今から夕食を作らなくていいうえに、お寿司が食べられるとは。

「それはよかった」

圭吾さんはくすくすと笑う。
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