離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「はは。わかってる、やめるやめる」
全然反省してなさそうな千葉くんを呆れて見ると、リュックの中のスマホが鳴った。
あわあわとリュックをおろしてスマホを探っているうちに、着信は途切れてしまった。
「槇はもう少し、女性らしくてもいいと思うけどな」
千葉くんは、今日もお団子頭でTシャツデニムの私をにやりと見下ろす。
「女性らしいってなんですかー。差別反対でーす」
言い返すと、彼は笑った。
「先行くわ。電話かけ直すんだろ」
「うん。じゃあね」
千葉くんの姿が完全に見えなくなったところで、スマホを見る。
着信履歴には「圭吾さん」の文字。
危ない危ない。見られてたらバレるかもしれなかった。
私は物陰に移動し、こそこそと電話をかけ直す。
『はい、笠原です』
「もしもし、私です。出られなくてすみません」
小声で話すと、圭吾さんが苦笑したような音が聞こえた。