離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
『噂になっているみたいだな』
「そのようで」
『この際、公表するか。外堀から埋めていくのもアリだな』

なんとなく彼のいたずらっぽい顔が頭に浮かんだ。

「まだ、ちょっと今は……」

アリじゃない。ナシだわ。

本人じゃない人から聞くことのほうが、安藤さんにとってショックだろう。

それに私自身、いろんな人にあれこれ聞かれたら「契約結婚なんです」なんて正直に言ってしまいそう。

それに、公表したら絶対に安藤さんの耳にも入る。

この前カミングアウトは彼女が退院してからだって話になったところだったじゃない。

思わずひきつる声に、圭吾さんは笑う。

『わかってる。それとは別件なんだが』
「別件?」
『ゆっくりいろいろ話したいし、今度の休み、一日付き合ってくれないか』

普通なら家で直接言えばのだけど、明日から私は勤だし、圭吾さんも当直が入っている。

ふたりとも休みなのは、四日後の日曜日だ。

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