離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「そうか、俺との外出をデートだって言ってくれるか。うれしいな」

運転席の笠原先生は、本当にうれしそうに微笑んでいる。

こんな顔見たことなかったので、ぐわっと車内の温度が上がった気がした。

「デートじゃなかったですか」
「いや、デートで間違いない」
「そうですか。よかった」
「すごくかわいいよ。この姿を俺しか知らないと思うとよりうれしい」

今度は体中の体温が上昇した。

実はこの服も靴もアクセサリーも全部安物なんです。メイク道具は基本プチプラです。

だけど、笠原先生にかわいいって言ってもらえたら、自分がかけたお値段以上の価値があるものに思えてくるから不思議だ。

「ま、本当は俺以外も知っているんだろうけどな」

そう呟いた先生の横顔が、少し寂しそうに見えた。

そりゃ、お母さんや友達はもっと他の私のことだって知っている。

「あの、私のことならなんでも答えますから聞いてください。私も圭吾さんのこと、もっと知りたいです」

勇気を出してそう申告すると、先生の顔がほころぶ。

「ありがとう。俺も答えるから遠慮なく聞いて」
「はいっ」

彼が操作したステレオから、聞いたこともない洋楽が流れてくる。

K-popメインで聞いている私には曲名もグループ名もさっぱりわからなかったけど、とても心地のいい優しい曲だった。

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