離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
目的もないまま歩き出した私の横には、歩幅を合わせた圭吾さん。

潮風を吸い込むと、体にしみ込んだ消毒液のにおいが消えていくような気がした。

「先生はよく海を見に来るんですか?」
「よくってほどでもないな。休日も寝て起きたら夕方なんて日もザラだし」
「ああ~わかります~」

疲れて寝るだけの休日を何度過ごしたことか。

学生の頃はそんなことなかったのに、社会人になった途端にそうなってしまった。

「ドクターになって後悔してます?」
「いいや、それはない」

浜辺を歩きながら質問すると、彼はきっぱりと言い切った。

そうか、医者という仕事に誇りを持っているから、忙しくても頑張れるのね。

そのほかにも、彼から幼少期のことや趣味や好きな食べ物の話など聞くことができた。

大病院の御曹司だから、厳しい英才教育を受けたりしたのかと思ったけど、意外に普通に育てられたらしい。

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