離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「きゃあっ」

余分なことを考えていたからか、足がもつれた。

靴が脱げる。バランスを失った体が前のめりに倒れる。

「七海!」

無様に砂に転がる前に、圭吾さんが腕で私の身体を支えてくれた。

ホッとしたのもつかの間、抱きしめられているような状態になった自分に頬が熱くなる。

「ご、ごめんなさい」
「いいよ。ちゃんとつかまって」

私の靴を拾ってくれた圭吾さんが背中に手を回す。

「え?」

どこにつかまればいいのか問おうとした瞬間、視界が高くなった。

「ひえっ」

目の前に圭吾さんの横顔がある。

長い睫毛や高い鼻に見惚れている場合じゃない。初めて嗅ぐ彼の髪のにおいにくらくらしている場合でもない。

お、お、お姫様抱っこされてる~!

「だ、大丈夫です歩けます!」
「いや、大事な妻を転ばせるわけにはいかない」
「でも」

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