離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
周りには観光客がいる。

人前でお姫様抱っこなんて。浮かれたバカップルだと思われる。

「ここは病棟じゃないんだ。もっと甘えてくれ」

耳元で囁かれて、思考回路があっという間にキャパオーバー。

抵抗する気力をなくした私を、圭吾さんは抱えたまま歩く。

砂浜から脱出し、コンクリートの上で解放された。

「道の駅で靴、売ってるかな。サンダルならあるかもしれないな」

圭吾さんは私をベンチに下すと、靴の砂を払ってくれた。

「ありがと……ええっ」

足元に置いてくれるかと思いきや、それをわざわざ履かせてくれる。

「あ、ペディキュアかわいいな」

足の甲にキスでもしそうな距離で言ってくるから、恥ずかしさで死にそうになる。

かかとのケアとセルフネイル、頑張っておいてよかった……!

「さあ、行こう」
「は、はいい」

靴を履かされた私は、彼について歩きだす。

しかしドキドキしすぎて、結局千鳥足になってしまった。

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