離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
というわけで、けっこう穴場なのだ。

今日も運よく誰もおらず、私は目立たない隅っこのベンチに座った。

「あ、いた」

すぐに圭吾さんが青いスクラブ姿で現れる。白衣は着ていない。

圭吾さんは忙しすぎて、いつもスティックパンを食事にして仕事をしている。

のんびりしている時間はないだろうと思ったが、彼はすとんと私の隣に座った。

「さあ食べよう。いただきます」
「時間大丈夫ですか?」
「うん、今は大丈夫。緊急で呼ばれたら行かなきゃならないけど」

いつだったか図書室で会った時なんて、『医局で作業すると他の先生に食堂に誘われたりして、無駄な時間を食うんだ』なんて言ってたのに。

今は無駄な時間だと思われてないってことでいいのかな?

圭吾さんはお弁当の蓋を開けた。

その顔は、遠足のお弁当を開ける子供のようにわくわくしているように見える。

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