離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「ここは我々に任せて。行ってください」
そう言われ、私たちはその場を離れることにした。
背を向けた私たちに、耳を塞ぎたくなるような暴言が聞こえてくる。
「聞くな。もう俺たちにできることはない。あとは任せよう」
圭吾さんが私の背中を押すようにして言う。
私と千葉くんはうなずくしかできず、安藤さんの悲鳴みたいな怒声を聞きながらその場から離れた。
近くに停めてあった圭吾さんの車の傍で提案すると、千葉くんの返事の前に安藤さんの声が微かに聞こえてくる。
「いえ……早く帰って休んでください。俺でもメンタルやられそうなんで」
千葉くんは当事者である私たちに気を遣ってくれているようだ。
「ああ、巻き込んですまない」
取り乱した安藤さんと対峙していると病みそうになるの、私だけじゃなかった。
少ししか見てない千葉くんは驚いただろうし、これからもああいう患者に合うかもしれないと思うと病みそうになる。