離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
そんな安藤さんと三年以上関わってきた圭吾さんのこれまでを思うとつらくなる。

学生だった私を励ましてくれてからいろいろなことがあって、看護師にまで優しくする余裕がなくなっていたんだろう。

千葉くんを見送り、私たちは車に乗り込む。

安藤さんがどうなったかは気になるけど、戻らずに家に向かう。

「これで終わったんでしょうか」
「おそらくな」

会話が途切れる。

私は助手席で、いつ離婚を切り出されるかとハラハラしている。

嫌だ。離婚したくない。

でも、そういう契約だし。

「七海」
「はいっ」

考え事をしていたので、名前を呼ばれただけでびっくりしてしまった。

「さっき俺が言ったこと、嘘じゃないから」
「えっと……どれですか?」

色々なことを話していたから、いったいどのフレーズのことかすぐにはわからない。

そんな私を茶化すでもなく、圭吾さんはさらっと言った。

「愛しているってやつとか、諸々」

運転をしている彼は進行方向を向いていて、表情がよくわからない。

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