離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
彼女は全然ナイチンゲールなんかじゃなかった。どこにでもいる、普通の女性だった。

『あなたねえ、もう少し考えて報告できない? “食欲がないそうです”って、そりゃあそうでしょ。この人消化器も悪いんだからさあ』

キンキンと鳴る超音波みたいな声。しかも超早口でまくしたてられ、なにを言われているのかわからなくなる。

実際、自分の言いたいことを詰め込んでしまって、話の要点がわからなくなる人だと今では思う。

学校から苦情が来るので、全体的に昔よりはパワハラがなくなっていると先生は言う。

しかし、この指導者のネチネチ超音波攻撃には、班員全員疲弊しきっていた。

その日のターゲットは私だった。

皆が順番に泣かされているのを知っていたから、泣かされまいと我慢していたら、なぜかその指導者はヒートアップ。

私が泣くまで、ひたすら私の人格まで否定するような嫌味を吐き続けた。

とうとう私がほろりと一粒涙を流すと「別にいじめてるんじゃないから。今のうちに直しておかないと、あとあとあなたが大変だからね」と言い捨て、その日の指導は終わった。

ひとり指導室に残された私は、鼻をすすって泣いた。

悲しかったからじゃない。悔しかったからだ。

どうしてあんな変な看護師にそこまで言われなきゃならないの。そっちこそ人格どうかしてんじゃないの。

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