離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「どうかしましたか?」

廊下まで声が聞こえたのか、看護師長が顔を出す。

「興奮されているようです。薬を処方しますので、内服するように担当看護師に伝えてください」
「あ、はい……安藤さん、大丈夫ですか」

師長が近づくと、外面のいい菜美恵はべそべそと泣いてソファに座り込む。

なだめられる彼女に背を向け、俺は病室から外に出た。

こんなに冷たい男とは結婚できない。

そう思ってくれるといいんだが、相手は普通じゃない。

とりあえず、言うことは言った。

あとは相手の出方次第だ。

俺は頭を切り替え、次のオペの予定のことを考える。

菜美恵のことなど、すぐに意識から消え失せていた。


**

< 99 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop