冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて
今日も店内は多くのお客様で賑わい、何事もなく閉店を終えた。
その間橘さんは店内を見回ったり、お客様に籠をお渡ししたり、お客様一人一人をサポートしつつ、事務所ではまとめていた発注書やマニュアルに目を通してパソコンにデータを移しているようだった。
閉店準備をした後、商品補充や掃除などを行い、遅出のスタッフと、フルで働いてくれた川本くんと一緒に事務所に戻る。
橘さんはまだ事務所で作業をしていて帰る気配はなさそうだ。川本くんと遅出のスタッフに帰るように促し、
「お疲れ様です。では、お先に失礼します」
私以外の従業員は皆店から出る。
事務所に戻り、カタカタとパソコン業務が忙しい橘さんに、冷蔵庫に予備で入れていた栄養ドリンクを差し出す。
「橘さん、お疲れ様です」
「……ああ、お疲れ」
橘さんは私が差し出した栄養ドリンクを手に取るなり、「相澤そこのイスに座って」と、私にまだ帰らないように呼び止めた。
言われるままイスに座る。
鞄から財布を取り出した橘さんは、
「朝、あんな言い方して悪かったな。服、いくらした?」
私が服を買いに行ったことを気にしていたようだった。