冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて
今更自分の気持ちを伝える気はない。私なんかに告白をされて迷惑なだけだ。
今日も行き場がない私は、洋服や下着など、必要な物を買い足しネットカフェへと泊まる。
家を出て一週間が経った。家出少女のように、職場に持ち込む荷物が日に日に増える私。
最初は小さめの鞄しかなかったのに、ボストンバッグのような、大きめなバッグを持ち込む私を見ていた橘さんから「……おい、外で話すぞ」と呼び止められた。
お店を出て、歩いて3分のカフェへ入るなり、アイスコーヒーを二つ頼む橘さん。奥の席に座り、「飲め」と、ご馳走してくれた。
「……ありがとうございます。お金……」
「いらない。それより、相澤、家に帰ってねぇだろ。毎日毎日、あの荷物の量はなんなんだ。おまえは今どこに泊まってんだよ」
さすが橘さん。勘が鋭い。いや、皆言わないだけで橘さんじゃなくても何かあったのかと感づいている気がする。
橘さんの目を見ると、真剣な眼差しを向けてくれていた。本当に心配してくれているんだ。正直に話そう。
「……今、ネットカフェに泊まってて。ネットカフェ、荷物の預けができないので多くてスミマセン」
「……は?」
「ホテルに泊まろうにも高くて。お金頂いたのにケチってごめんなさい」
「家、帰ってないのか?」
「…………はい」