冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて


 絶対招きたくないだろうに、無理して誘ってくれているんだと思うと気が引ける。有り難いけれど気持ちだけで十分だ。


 「いえ、大丈夫です」と断ると、「俺が大丈夫じゃないんだよ。襲われたらどうするんだ」と説教された。


「女性専用のお部屋ですし、大声出せば他のお部屋には人もいますし」

「ダメだ。俺ん家来い」

「……でも、橘さんに恋人がいたら、彼女さんは嫌な気持ちになります。私だったら、彼氏の家に見知らぬ女がいるなんて嫌です。彼氏いたことないけど……」

「恋人いないから変な心配すんな。それに、相澤にも手を出したりしないから安心しろ」

「…………では、今日の晩はお世話になります」


 橘さんに恋人がいないと知って、重かった心がふと、軽くなった。

 安心している場合じゃない。橘さんは本気で心配してくれているようだった。深々と頭を下げると「今日、相澤は早番だろ」と問いかけられた。


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