好き避け夫婦の秘めごと 7年越しの初夜

ついこの間は、『イケボで言われたい萌えセリフ集』(七夕社出版の女性雑誌の特集記事)を録音させて貰った。
イラストの作業をする時にイヤホンで聞くためのもの♪

モチベが上がるし、作業効率が飛躍的に上がるのよね。

セーラー服を着ていた時に思いついた。
パイロットスーツやスクラブ着や白衣姿も捨てがたいし、ガテン系のつなぎも捨てがたい。
あぁ~、彼に着て貰いたい服がどんどん思い浮かぶ。
二谷に何て言って用意させたらいいかしら?

目の前の大型テレビで繰り出される技の数々。
物凄い速さで指先が動いている。

何度見ても覚えられない。

「んっ…」

目線はテレビ画面。
指先は超絶技巧。
なのに、余裕と言わんばかりに彼の唇が私のうなじを這い始めた。

画面の中を目で追うだけでも大変なのに。
彼の神経はどんな回路になってるのかしら?

「士門さん」
「ん?」

会話もできるほど余裕なのね。
来週は出張で逢えない日があるんだから、一緒にいられる日はずっといちゃいちゃしたいのに。

趣味を仕事にするくらいゲームが好きな彼に、ちょっとだけ嫉妬する。
テレビ画面じゃなくて、私をもっと意識して欲しいから。

「シたいって……言ったら?」
「っ…」

わざとらしく彼の耳元に囁いた。
すると、チラッと一瞬画面から私へと視線を寄こした彼。
……一瞬だけどね。

「ちょっと待ってね」

キリが悪いんだろうなぁ。
慌てながらセーブ(保存)できる所まで進めて、セーブした彼。
コントローラーをテーブルの上に置いて、『お待たせ』と嬉しそうに口にした。

「はーい、じゃあ私の番で♪」

ざ~~んねん♪
ラブラブな時間を焦らされた罰よ。
コントローラーを手にして、素早くログインした。

「え………そっちかよっ」
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