【コミカライズ】あの……殿下。私って、確か女避けのための婚約者でしたよね?
 だって、私はまだ……シェーマス様の婚約者なのよ。

「その……その方は、明日までしか居ないのよね?」

 会うならば、今日しかない。だから、もし私がここで渋れば、もう会うことは出来ない。

 心はぐらぐらと揺れた。私に気のない素振りのシューマス様は、私が男性と会ったとしても……きっと、何も思わないだろう。

「そうよ! アデライン様は元第二王子で今は王弟で、数ヶ月前に王太子だった兄が王位につき、スペアだった身から解放されたところよ。この前お会いした時に伺ったら、彼は身分関係なく気の合う女性と結婚したいと、考えているとか。もしかしたら、性格が合うかもしれないわよ?」

 甘い囁き、誘惑の誘い。

 私は婚約者の居る身で、そんな時にそういう目的で、異性と会うなんて。

 倫理的に考えて、やっぱりおかしいと思ってしまうからだ。

「けど……」

 渋る私にもう一押しだと思ったのか、スーリエが立ち上がって言った。

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