【コミカライズ】あの……殿下。私って、確か女避けのための婚約者でしたよね?
「王太子シェーマス様の、婚約者です。もっとも、名ばかりで……もうすぐ、婚約解消してしまうんですが」
言いづらく消え入りそうな私の言葉を聞き、意味を咀嚼するように彼は間を置いて黙っていた。
「……ああ。そういうことですか。僕は王族の婚約者としても、遜色のないご令嬢と知り合えて嬉しいです。実は色々とあって、婚約者が居なくて……アイリーン様も、我が国に来て頂ければ、名所を案内出来るんですが」
「申し訳ありません。私の従姉妹が……そうです。私の婚約解消の話を聞いて、もしアデライン様に会うのなら、今日しかないと……私も軽率でした」
「いえ。そうですね。もし、僕らが出会うのなら、今日しかなかった……まるで、運命のようだと思いませんか」
「思いませんね」
和やかに会話をしていた私たちは、突然聞こえて来た剣呑な声に驚いた。
「……シェーマス様?」
そこに居たのは、いつもの余裕ある表情はなくなり、顔を強ばらせたシェーマス様だった。彼は私の元まで早足で来ると手首を握り、無理に立ち上がらせた。
こんなに乱暴な振る舞いをされたこともない私は、目を白黒させるしかなかった。
言いづらく消え入りそうな私の言葉を聞き、意味を咀嚼するように彼は間を置いて黙っていた。
「……ああ。そういうことですか。僕は王族の婚約者としても、遜色のないご令嬢と知り合えて嬉しいです。実は色々とあって、婚約者が居なくて……アイリーン様も、我が国に来て頂ければ、名所を案内出来るんですが」
「申し訳ありません。私の従姉妹が……そうです。私の婚約解消の話を聞いて、もしアデライン様に会うのなら、今日しかないと……私も軽率でした」
「いえ。そうですね。もし、僕らが出会うのなら、今日しかなかった……まるで、運命のようだと思いませんか」
「思いませんね」
和やかに会話をしていた私たちは、突然聞こえて来た剣呑な声に驚いた。
「……シェーマス様?」
そこに居たのは、いつもの余裕ある表情はなくなり、顔を強ばらせたシェーマス様だった。彼は私の元まで早足で来ると手首を握り、無理に立ち上がらせた。
こんなに乱暴な振る舞いをされたこともない私は、目を白黒させるしかなかった。