【コミカライズ】あの……殿下。私って、確か女避けのための婚約者でしたよね?
 自分の嫁ぎ先は既に確保済みだから、私の恋愛について面白がるだけの余裕を感じる。

「何言ってるの。まだ、早いわよ」

 シェーマス様の婚約については、絶対に私に不利とはならないように解消してくれるとは聞いている……けど、まだそれはなされてはいない。

「まあ……早いなんて! シェーマス様も、酷いものだわ。アイリーンだって本来なら、求婚者を選んでいるというのに、彼のために貴重な三年も無駄にしたのよ」

「別に無駄にしたとは思って居ないわ。役得でもあったもの。スーリエは、知っているでしょう。私がシェーマス様のことを、昔から好きだったのを」

「そうだけど……報われないのに、傍に居るなんて、切ないだけでしょう」

「……そんなことないわ。きっと、良い思い出になるはずよ」

 確かに私は社交界デビューを済ませて、すぐにシェーマス様と婚約することになったけど、別に時間を無駄にしたなんて思って居ない。

 シェーマス様からは何とも思われていなかったけど、私は自分の好きな彼の役に立つことが出来て、長い時間を傍に居ることを許された。

< 6 / 23 >

この作品をシェア

pagetop