どんな君でも愛してる

「並木さんが来てから、あっという間にお前を攫われた。正直驚いた。お前が付き合いだすなんて思ってなかった」

「相川くん……」

「大体、俺と付き合えよって何回か言ったぞ。いつも彼氏は作らないって言ってたくせに……」

 私は箸を持つ手が止まった。

「いつも酔ってたじゃない。それに、全部冗談だったでしょ」

「本気だよ!」

「本気なら素面の時に言いなさいよ!」

「俺は彼女と別れた。でも、その後も……いろんな人から告白されてさ。今までならすぐに頷いていたけど、今回はそういう気に全くなれなかった。なぜかいつもお前の顔が浮かぶ。俺さ、やっとわかったんだ。お前が初恋だったのかもしれない」
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