どんな君でも愛してる

 電話で何度か話しただけだが、どこか気が合う。仕事は迅速だし、正直個人的にも興味が出た。

 相川は昔人事だったと聞いたし、もしかしてと思ったのだ。

「今のところ残念ながら飲み友達どまりです。あいつは気さくでなんというか、女を武器にしてこない。俺、自分で言うのもなんですけどモテるほうなんです。大抵の女の子は何回か飲みにいったりすると告白してきたり、身体を使ってモーションかけてきたりする。だから女の子とさしで飲むのは少し敬遠していたんです。でも川村はそういうんじゃないんですよ」

「へえ。あの子は電話で話していただけだけど、とても面白い子だよね。敬語も使うが、なんというか茶目っ気があって、話していて引き込まれる。いつの間にか冗談言いあってたりするんだよな」

「そうですね。営業のおじさん連中やお局さんたちにもすごくかわいがられてますよ。俺、最初三年間あいつと一緒に人事へいたんです。あいつは仕事大好きなんですよ。もちろん入った時からバリバリ仕事できるし、同期でしたが正直驚きました」
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