クールな御曹司と初恋同士の想い想われ契約婚~愛したいのは君だけ~
匠はテーブルに並べられる料理を眺め、楽しげに声を弾ませている。
やはり見間違いだったようだ。
「温かいうちに食べよう」
匠に促され、美緒は気持ちを切り替えスプーンを手に取った。
「この間、華耶から今年のワンピースは大人っぽくて素敵だって散々自慢されて困った。よっぽど気に入ったみたいだな」
食後のコーヒーを楽しんでいる時、匠が思い出したように呟いた。
「うれしいです。作った甲斐がありました」
「俺も今度華耶に会ったらこのネクタイを見せびらかして自慢しておくよ」
匠は胸元のネクタイを手に取り満足そうに笑う。
「忙しいのに毎年華耶にクリスマスプレゼントを用意してもらって悪い」
「いえ平気です。華耶ちゃん、高校生になった途端顔立ちがぐっと大人びたので今年はシックなデザインのワンピースにしたんです」
今年仕立てたのは胸元と袖の部分がレース仕様で、フレアタイプのスカート部分は光沢のあるシルクのワンピースだ。
高校生が着ても背伸びしていると見えないようハイウエストの切り替え部分にはリボンベルトをあしらっている。
美緒にとっても自信作で、華耶がそれほど気に入ってくれたのならうれしい。
「今年も大好きな紫がいいってリクエストされて、それは外せませんでした」
「そういえば美緒が初めて作ってくれたポーチも紫だったな」