クールな御曹司と初恋同士の想い想われ契約婚~愛したいのは君だけ~
この作品集も単なるクリスマスプレゼントでしかなく、それ以上の気持ちはないはずだ。

美緒はとうの昔に納得したはずの事実を改めて実感し、こうして匠と過ごせるだけで満足しなければと自分に言い聞かせた。

「冷めないうちに早く食べよう」

「そうですね」

美緒は笑顔をつくり、カトラリーに手を伸ばした。

 


翌週、美緒は年内に完結させなければならない業務に追われ、連日残業を続けていた。

経理処理はもちろん、年明け早々の受注を目指している案件の最終確認など、手元に抱えている量はかなり多い。

今も広報部から送られてきた次年度の会社案内の原稿チェックをしていて、締め切りは十分後に迫っている。

営業部を紹介するページに掲載する文章を美緒が担当したのだが、内容に大きな問題はなさそうだ。

美緒は凝り固まった身体をほぐすように、椅子の上で身体を伸ばした。

その途端、寝不足が続いているせいでつい欠伸が出そうになり、慌てて両手で口を押さえた。

寝不足の理由はわかっている。

副業である洋服のネット販売が順調で、製作に追われているからだ。

これまで月に十件前後の注文が入る程度だったのが、今はその三倍に増えている。

おかげで睡眠不足が続き、夜中ついうとうとして明け方ミシンの前で目を覚ますこともある。

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