クールな御曹司と初恋同士の想い想われ契約婚~愛したいのは君だけ~
佐山は大げさな仕草で指折り数え、ニヤリと笑った。

「ありがとう……助かる。でも、大丈夫? 他にもあるでしょう?」

「年内の業務ならほぼ完了してます。年末から彼女と旅行なんで気合いを入れて終わらせました。だから白川さんの仕事をカバーするくらいの余裕はあるんですよね」

「あ、彼女と……それは楽しみだね。えっと、じゃあ、申し訳ないけどお願いします」

これではどちらが先輩なのかわからない。

佐山はパソコンに必要なデータを呼び出し、すでに作業に集中している。

「こっちはやっておくので、白川さんは別の作業を続けて下さい。早く終わらせないと、今日も徹夜でミシンとお友達。いつまでも目の下の隈が消えませんよ」

「えっ」

淡々とした佐山の言葉に美緒はハッとし、両手を目元に当てた。

「隈って、あの、やっぱり目立ってる?」

「メイクでごまかせない程度には。副業に力を入れるのは悪くないですけど、そのうち体を壊しますよ」

「だよね」

佐山の指摘に自覚があるだけに、否定できない。

「じゃあ、申し訳ないけど、それはお願い」

心苦しく思いながらもここは佐山に頼ることにした。

佐山は画面に目を向けたまま、クスリと笑う。

「ひとまず早く終わらせて睡眠時間の確保。欠伸を我慢するのも疲れるでしょ」

「あ……っ」

ごまかしていたつもりだが、ばれていたようだ。

美緒は居心地の悪さに視線を泳がせた。
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