クールな御曹司と初恋同士の想い想われ契約婚~愛したいのは君だけ~
【ありがとうございます。もちろん行かせていただきます】

高鳴る鼓動に指を震わせながら、美緒はメッセージを送った。




副業の洋服作りに没頭し、ケーキのひとつも食べずに過ごしたクリスマスから数日。

年内最後の仕事を終えた美緒は、匠と向かい合い鍋料理を楽しんでいた。

ここは匠の自宅近くに最近オープンした和食店で、提供される食材はすべてオーナーが現地で買い付けた新鮮で上質なものばかり。

連日盛況で、SNSでも話題になっている。
 
広い店内は混み合っていたが、匠が事前に予約していてすんなりと個室に案内された。

「食材の美味しさは噂通りですが、お出汁も絶品ですね」

利尻昆布を使っているという出汁はスッキリとしていて食材の味を引き立てている。

鍋をメインにしたコース料理にはお造りをはじめ野菜の煮物や茶碗蒸し、酢の物なども添えられていて、どれも抜群の美味しさだ。

「同僚たちと来たときにあまりの旨さに驚いて美緒にも食べてほしくなったんだ。仕事の参考になればと思ったんだけど、年末の忙しい時に誘って悪かったな」

「いえ、全然」

美緒は素早く首を横に振る。

たとえどれほど忙しくても、匠からの誘いなら都合をつけて駆けつける自信がある。

「声をかけてもらえてうれしいです。ありがとうございます」

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