クールな御曹司と初恋同士の想い想われ契約婚~愛したいのは君だけ~
「大丈夫です」
目眩をどうにかやり過ごし、美緒は小さくため息を吐いた。
「私は兄に結婚してほしいんです。もちろん兄も千咲さんも、結婚したいはずなんです。だけど、私のせいで兄は結婚しないって言っていて」
これは個人的な問題だ。
関係のない匠に話すべきではないとわかっているが、愚痴にも似た思いがつい口からこぼれ落ちる。
それも支離滅裂で匠にとっては訳のわからない迷惑な言葉だ。
ビールなんて飲まなければよかったと、美緒は心底後悔する。
「美緒のせい? 美緒はお兄さんの結婚に賛成しているんだろ?」
美緒は即座に頷く。
「もちろん大賛成です。それどころか千咲さんと一緒に暮らし始めた時に結婚するように何度も言ったんです。だけど、その時は曖昧にごまかされて」
美緒は当時を思い出し、唇をかみしめる。
「兄は私が結婚するまでは自分は結婚しないって言い続けていて」
「俺には兄弟がいないからピンとこないが、お兄さんは美緒のことがよほどかわいいんだな」
「そうなんです。私が五歳の時からはとくにかわいがられていて、両親より過保護なんです」
「五歳?」
匠は首を傾げる。
「はい。私には全く記憶がないんですけど、五歳の時にスーパーで男性の不審者に連れ去られそうになったことがあるらしいんです」
「連れ去りって、大丈夫だったのか?」
大きく顔を歪め、匠は声をあげた。
目眩をどうにかやり過ごし、美緒は小さくため息を吐いた。
「私は兄に結婚してほしいんです。もちろん兄も千咲さんも、結婚したいはずなんです。だけど、私のせいで兄は結婚しないって言っていて」
これは個人的な問題だ。
関係のない匠に話すべきではないとわかっているが、愚痴にも似た思いがつい口からこぼれ落ちる。
それも支離滅裂で匠にとっては訳のわからない迷惑な言葉だ。
ビールなんて飲まなければよかったと、美緒は心底後悔する。
「美緒のせい? 美緒はお兄さんの結婚に賛成しているんだろ?」
美緒は即座に頷く。
「もちろん大賛成です。それどころか千咲さんと一緒に暮らし始めた時に結婚するように何度も言ったんです。だけど、その時は曖昧にごまかされて」
美緒は当時を思い出し、唇をかみしめる。
「兄は私が結婚するまでは自分は結婚しないって言い続けていて」
「俺には兄弟がいないからピンとこないが、お兄さんは美緒のことがよほどかわいいんだな」
「そうなんです。私が五歳の時からはとくにかわいがられていて、両親より過保護なんです」
「五歳?」
匠は首を傾げる。
「はい。私には全く記憶がないんですけど、五歳の時にスーパーで男性の不審者に連れ去られそうになったことがあるらしいんです」
「連れ去りって、大丈夫だったのか?」
大きく顔を歪め、匠は声をあげた。