EASY GAME-ダメ男製造機と完璧上司の恋愛イニシアチブ争奪戦ー
電車の中は、閑散としていて、秋成さんも気を遣う事なく座る事ができた。
彼が言うには、このガタイだと、普通に空いている席に座っても非難の視線が向けられるそうだ。
「――まあ、仕方ないんだけどね。だから、疲れて座りたい時とか、結構しんどくても、空いている時間帯を選ぶんだ」
「……大変ですね」
「でも、舞子と一緒にいると、保護者みたいに見られるみたいでさ。視線なんか、何も感じないんだよね」
「……それもどうかと……」
まあ、実際、親子と言っても、通せるような見た目の二人だ。
否定も肯定もできず悩んでいるあたしに、秋成さんは笑った。
「いや、まあ、気にしないで。舞子と楽しんでるフシもあるからさ」
「……そうなんですか」
てっきり、ショックを受けているものだと思っていたけれど――それも、二人の形なんだろう。
――うらやましいという思いは、胸の奥にしまった。
それから一時間近く電車に揺られ、秋成さんと他愛ない話で盛り上がった。
舞子は、割と昔の話をしていないようで、あたしが話すと、彼は身を乗り出して聞いてくる。
「舞子、卒アルとかも、見せてくれないんだよ。――おれのは見たクセにさ」
「なら、今度あたし、見せましょうか?」
クスクスと笑いながらそう言うと、秋成さんは、一瞬迷うが首を振った。
「いや、舞子自身が許可してないのに、見るのはね。本人を説得してみせるよ」
「じゃあ、頑張ってください」
あたしは、笑いながらそう言うと、秋成さんも、笑ってうなづく。
――本当に、誠実な人だな。
舞子が選んだ人なんだから、きっと、間違いないとは思っていたけれど。
すると、電車のアナウンスが、最寄り駅の名称を告げる。
あたしと秋成さんは降りる準備をして、立ち上がった。
そして、ホームに降り立つと、二人並んで改札を出る。
「――じゃあ、この辺で。ありがとうございました」
「大丈夫?家まで送るよ?」
「いえ。……この駅裏のマンションなんで」
「え?」
目を丸くする秋成さんに、あたしは、苦笑いで返した。
「……大丈夫です。……一応、彼と同棲なんで」
「……あの上司の人?大丈夫なの?」
ここまで心配させてしまうのは申し訳無いが、これまでを知られているのだから、仕方ない。
でも――今度こそは。
あたしは、不安そうに見てくる秋成さんに、力強くうなづく。
「――ハイ」
それに何かを感じたのか、彼は、うなづき返してくれ、舞子の家へと帰って行った。
あたしは、それを見送り、連絡通路へと向かう。
「――お帰り、美里」
「え」
階段を、足元を見ながら上って行くと、不意に名前を呼ばれる。
顔を上げれば、不機嫌そうな朝日さんが、あたしの目の前に立っていた。
「あ、も、戻りました……」
すると、無言で手首を強く掴まれ、思わず顔をしかめる。
「あ、朝日さん?」
彼の名を呼んでも、返事は無い。
そのままマンションに着くと、エレベーターに二人で乗り込む。
その間も、一言も言葉は無かった。
――……一体、何なのよ。
朝日さんの機嫌の悪さにつられて、あたしもムカムカしてくる。
無言のままエレベーターから下りると、彼は部屋のドアを開け、あたしを引きずるように中に入れた。
「あ、朝日さ……」
呼び終わる前に、唇がふさがれる。
前とは違う、激しいキスに、力が抜けそうだ。
思わず、すがりつくが、朝日さんは手を緩めない。
酸欠になりそうで、彼の服を引くと、ほんの少し唇が離され、あたしが呼吸をするのを確かめると、すぐにまたふさがれた。
口内が、朝日さんの舌ですべて奪いつくされ、唾液は飲み込めないまま、首筋を流れ落ちていく。
どれだけの時間、そうしていたのか――ようやく解放されたかと思えば、すぐに抱きかかえられた。
彼が言うには、このガタイだと、普通に空いている席に座っても非難の視線が向けられるそうだ。
「――まあ、仕方ないんだけどね。だから、疲れて座りたい時とか、結構しんどくても、空いている時間帯を選ぶんだ」
「……大変ですね」
「でも、舞子と一緒にいると、保護者みたいに見られるみたいでさ。視線なんか、何も感じないんだよね」
「……それもどうかと……」
まあ、実際、親子と言っても、通せるような見た目の二人だ。
否定も肯定もできず悩んでいるあたしに、秋成さんは笑った。
「いや、まあ、気にしないで。舞子と楽しんでるフシもあるからさ」
「……そうなんですか」
てっきり、ショックを受けているものだと思っていたけれど――それも、二人の形なんだろう。
――うらやましいという思いは、胸の奥にしまった。
それから一時間近く電車に揺られ、秋成さんと他愛ない話で盛り上がった。
舞子は、割と昔の話をしていないようで、あたしが話すと、彼は身を乗り出して聞いてくる。
「舞子、卒アルとかも、見せてくれないんだよ。――おれのは見たクセにさ」
「なら、今度あたし、見せましょうか?」
クスクスと笑いながらそう言うと、秋成さんは、一瞬迷うが首を振った。
「いや、舞子自身が許可してないのに、見るのはね。本人を説得してみせるよ」
「じゃあ、頑張ってください」
あたしは、笑いながらそう言うと、秋成さんも、笑ってうなづく。
――本当に、誠実な人だな。
舞子が選んだ人なんだから、きっと、間違いないとは思っていたけれど。
すると、電車のアナウンスが、最寄り駅の名称を告げる。
あたしと秋成さんは降りる準備をして、立ち上がった。
そして、ホームに降り立つと、二人並んで改札を出る。
「――じゃあ、この辺で。ありがとうございました」
「大丈夫?家まで送るよ?」
「いえ。……この駅裏のマンションなんで」
「え?」
目を丸くする秋成さんに、あたしは、苦笑いで返した。
「……大丈夫です。……一応、彼と同棲なんで」
「……あの上司の人?大丈夫なの?」
ここまで心配させてしまうのは申し訳無いが、これまでを知られているのだから、仕方ない。
でも――今度こそは。
あたしは、不安そうに見てくる秋成さんに、力強くうなづく。
「――ハイ」
それに何かを感じたのか、彼は、うなづき返してくれ、舞子の家へと帰って行った。
あたしは、それを見送り、連絡通路へと向かう。
「――お帰り、美里」
「え」
階段を、足元を見ながら上って行くと、不意に名前を呼ばれる。
顔を上げれば、不機嫌そうな朝日さんが、あたしの目の前に立っていた。
「あ、も、戻りました……」
すると、無言で手首を強く掴まれ、思わず顔をしかめる。
「あ、朝日さん?」
彼の名を呼んでも、返事は無い。
そのままマンションに着くと、エレベーターに二人で乗り込む。
その間も、一言も言葉は無かった。
――……一体、何なのよ。
朝日さんの機嫌の悪さにつられて、あたしもムカムカしてくる。
無言のままエレベーターから下りると、彼は部屋のドアを開け、あたしを引きずるように中に入れた。
「あ、朝日さ……」
呼び終わる前に、唇がふさがれる。
前とは違う、激しいキスに、力が抜けそうだ。
思わず、すがりつくが、朝日さんは手を緩めない。
酸欠になりそうで、彼の服を引くと、ほんの少し唇が離され、あたしが呼吸をするのを確かめると、すぐにまたふさがれた。
口内が、朝日さんの舌ですべて奪いつくされ、唾液は飲み込めないまま、首筋を流れ落ちていく。
どれだけの時間、そうしていたのか――ようやく解放されたかと思えば、すぐに抱きかかえられた。