同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
「それは字が綺麗な人のセリフですよっ。
 弘法は筆を選ばないけど、字の汚いやつは選ぶんですよっ」

「キレるとこなのか?
 っていうか、俺も下手なんだが……」

「棋士なのに?
 色紙とか、いろいろ書く機会があるのでは?」

 田中は沈黙した。

「すみません。
 触れてはいけない話題でしたか」

「大丈夫だ。
 さっき、触れてはいけない話題に、堂々と触れていたやつがいただろ。

 それに比べれば全然平気だ」

「へえー、ロクでもないやつがいるもんですね~」

 若林っ、と全員が彼を見た。




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